リウマチ膠原病のひとつシェーグレン症候群とは?  症状・原因を解説 -目が乾燥する、ゴロゴロする、口が乾く…ただのドライアイ・ドライマウスではない可能性も

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リウマチ膠原病のひとつシェーグレン症候群とは?  症状・原因を解説 -目が乾燥する、ゴロゴロする、口が乾く…ただのドライアイ・ドライマウスではない可能性も

中村 正

中村 正先生医療法人桜十字 桜十字病院

目次

目や口の乾燥はしばしば認められる症状です。たとえばドライアイは長時間目を使ったときに、ドライマウスは年を取るにつれて感じやすくなります。その多くはこまめに保湿することで予防・改善できるものですが、なかには単なる一時的な乾燥ではなく、難病に指定されるシェーグレン症候群が原因になっているケースがあります。

シェーグレン症候群とはどのような疾患なのか、桜十字病院(熊本)院長補佐 リウマチ膠原病内科の中村正先生にお話を伺いました。

シェーグレン症候群とは

シェーグレン症候群は涙腺・唾液腺などの外分泌腺に異常が現れる難病

シェーグレン症候群とは、涙腺唾液腺に代表される腺組織に異常が現れる自己免疫疾患(リウマチ膠原病のひとつ)です。自己免疫疾患では体の免疫システムに異常を来すため、体の様々な部位に病変が現れます。その中でも特に涙腺や唾液腺に異常が現れやすい疾患がシェーグレン症候群です。シェーグレン症候群は国の指定難病に定められています。

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シェーグレン症候群の症状

最も好発する症状は「目や口の乾き」

シェーグレン症候群で最もよく見られる症状は目の乾き(ドライアイ)、口の乾燥(ドライマウス)です。これによって、目がゴロゴロする、人と会話をしていると口が乾いてしまう、といった症状が現れます。

また、シェーグレン症候群は涙腺や唾液腺だけではなく、その他の分泌腺にも障害が起きる場合があります。たとえば消化器の分泌腺に異常が現れ、消化を助けるための膵液が減ってしまう、女性であれば膣の分泌腺に異常が現れ、性交時に違和感があるといった症状がみられます。

自己免疫疾患であることから多様な症状が現れる

主症状は乾燥症状ですが、シェーグレン症候群は体の自己免疫システムが障害される疾患であるため、肺、腎臓、血液、心臓、など全身に多彩な症状が現れる可能性があります。

【シェーグレン症候群の症状】

代表的な症状として次のようなものがあります。

(1)乾燥症状(眼、口腔、気道乾燥、皮膚乾燥、膣乾燥など)

(2)唾液腺・涙腺腫脹

(3)関節症状(関節痛、関節腫脹)

(4)甲状腺(甲状腺腫など)

(5)呼吸器症状(咳、痰、呼吸苦、嗄声など)

(6)肝症状(肝機能異常、肝腫大、右上腹部異和感など)

(7)消化管症状(心窩部不快感、胃痛など)

(8)腎症状(遠位尿細管性アシドーシス、低カリウム血症による四肢麻痺、腎石灰化症など)

(9)皮膚症状(環状紅斑、高ガンマグロブリン血症による下肢の網状皮斑や紫斑など)

(10)その他(レイノー現象、筋痛、脱力感、しびれ感、悪性リンパ腫など)

シェーグレン症候群の合併症として、関節痛などの症状が現れる?

シェーグレン症候群は、シェーグレン症候群のみである原発性と、他のリウマチ膠原病を合併している二次性に分類できます。

■原発性(一次性)シェーグレン症候群

シェーグレン症候群のみを発症している場合を、原発性シェーグレン症候群と呼びます。この原発性シェーグレン症候群はさらに、涙腺や唾液腺に由来する症状のみを呈する腺型と、病変が全身の臓器に及んでいる腺外型に分けられます。

■二次性シェーグレン症候群

他のリウマチ膠原病を合併している場合は、二次性シェーグレン症候群と呼びます。たとえば関節リウマチ※1、クレスト症候群※2といった疾患と合併するものもあり、関節リウマチでは約30%の患者さんに乾燥症状が認められるという報告もあります。こういった他の疾患を併発すると、症状がより多彩で複雑になっていきます。

※1関節リウマチ・・・リウマチ膠原病の1つで、関節に炎症が起き、軟骨や骨が破壊され、関節の腫れや痛み、変形が現れる疾患。

※2クレスト症候群・・・リウマチ膠原病の強皮症の亜型で、限局性皮膚硬化症とも呼ばれる。指・四肢の皮膚や臓器の線維化(硬化)、血流循環障害などの症状が現れる疾患。

 

豆知識 ~シェーグレン症候群の名前の由来~ 

シェーグレン症候群は、1930年にスウェーデンの眼科医Henrick Sjögrenによって初めて発見され、関節リウマチに乾燥性結膜炎を合併する症例として報告されました。その後1933年には同様の症状をもつ19例が報告されて以来、発見者の名前をとってシェーグレン症候群と命名されました。

 

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執筆/インタビュー

中村 正
中村 正先生

医療法人桜十字 桜十字病院

1984年熊本大学大学院医学研究科修了後、熊本大学医学部免疫医学研究施設アレルギー部門・研究員、鹿児島大学医学部内科学第一講座・医員を経て、米国ミシガン大学メディ

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1984年熊本大学大学院医学研究科修了後、熊本大学医学部免疫医学研究施設アレルギー部門・研究員、鹿児島大学医学部内科学第一講座・医員を経て、米国ミシガン大学メディカルセンター・客員上級研究員となる。その後、熊本整形外科病院リウマチセンターやくまもと森都総合病院でリウマチ膠原病内科の部長を務め、2017年桜十字病院 院長補佐に就任。リウマチ膠原病内科を専門分野として数々の講演会で講師を務める。桜十字病院では、近年大きく進歩しているリウマチ膠原病の治療を地域住民が等しく享受できるよう診療を続けている。

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