「お酒を飲まない」人でも脂肪肝になる?! NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)について知ろう

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「お酒を飲まない」人でも脂肪肝になる?! NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)について知ろう

島 俊英

島 俊英先生済生会吹田病院副院長/消化器・肝臓病センター

脂肪肝と聞くと「お酒をたくさん飲んだり、ご飯を食べ過ぎたりする人がなるもの」と考える方は多いのではないでしょうか。しかし、脂肪肝には様々な種類や発症の仕方があり、お酒を飲まない方や太っていない方でも発症する可能性があります。なかでもNASH(非アルコール性脂肪肝炎)は、お酒を飲まなくても肝硬変や肝臓がんという重症な病気に進行する可能性がある肝障害です。NASHは現在、まだ医療者を含めた社会に十分認知されておらず、見逃されてしまっていることも多いと思われます。今後はNASHについて、医療者は勿論、一般の方も知っておく必要があります。NASHとはどのような病気であり何が課題なのでしょうか。日本におけるNASH治療・研究の最先端である済生会吹田病院副院長の島俊英先生にお話しいただきます。

脂肪肝とは―「肝臓に脂肪がたまりすぎた」状態。太っていない人も要注意

NASHをお話しする前に、まずは脂肪肝の病態についてご説明しましょう。

脂肪肝とは肝臓に中性脂肪が蓄積し、フォアグラ様になった状態を指します。

脂肪肝の原因は、一般的には食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足、肥満などといわれていますが、なかには非肥満者でも脂肪肝を発症する可能性があります。特に危険なのは、短期間で急な体重増加がみられた方です。たとえば身長160㎝で体重54kg (BMI 21)という痩せ型の場合でも、最近に5㎏以上の急激な体重増加があった場合は脂肪肝のリスクが高まります。

つまり、肥満ではない方でも脂肪肝になる可能性は十分にあり、「私は太っていないから脂肪肝にはなりません」とはいえないのです。まずはこのことをよく知っておいてほしいと思います。

お酒を飲まないのに脂肪肝になる?「NASH」とはどのような病気か

NASH(非アルコール性脂肪肝炎)は脂肪肝のなかでも肝硬変や肝臓がんを発症するリスクが高い病気のことを指します。お酒を飲まない方が発症するという特徴を持ち、初期段階の脂肪肝を主な症状として、進行すると肝臓線維化やがんが起こる場合があります。

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執筆/インタビュー

島 俊英
島 俊英先生

済生会吹田病院副院長/消化器・肝臓病センター

肝疾患(肝臓がん、ウイルス性肝炎、NASH)を専門とする。日本でトップクラスのNASH研究を手掛ける済生会吹田病院副院長の現在は、臨床データや国際的な報告、公的統

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肝疾患(肝臓がん、ウイルス性肝炎、NASH)を専門とする。日本でトップクラスのNASH研究を手掛ける済生会吹田病院副院長の現在は、臨床データや国際的な報告、公的統計データなどをもとに、NASH病態の解明および侵襲性の低い診断方法の確立に尽力している。

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